三要文とは
キリスト教会では、使徒信条、主の祈り、十戒を三要文(さんようもん)と呼び、公同の教会における信仰の基本となる重要なものとしています。
使徒信条は「何を信じているか」、主の祈りは「何を祈るべきか」、そして十戒は「いかに生きるべきか」について記述されています。
使徒信条とは
わたしたちが信じる信仰の内容は「キリストの福音」と言われています。このキリストの福音の主な内容を言い表しているのが「使徒信条」です。この使徒信条は、基本信条の中で最初に置かれている信仰告白文です。この使徒信条の原型は、2世紀後半にローマにて、洗礼を受ける者の信仰告白を規定するものでした。
使徒信条は、三位一体(イエスは、神=神の子=聖霊)の神を告白する構成になっています。三位一体の神を信じ告白することが正統派キリスト教会にとって真実の信仰であり、この信仰が不明確になると信仰の屋台骨が崩れてしまう、というような教会の根本教理であるとされています。
使徒信条 ・ The Apostles' Creed
我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。
我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、
処女マリヤより生れ、
ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、
十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、
三日目に死人のうちよりよみがえり、
天に昇り、全能の父なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて、
生ける者と死ねる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、
聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、
永遠の生命を信ず。
アーメン
主の祈りとは
私たちが神に対し自ら祈りをしようとする時、何を祈ったらよいのか困ってしまうことがあります。また、長い間、自己流の祈りをしていると知らず知らずのうちに自分の願いばかりの祈りになってしまうことがあります。
そんな時に主イエス・キリストご自身が教えてくださった祈りこそ主の祈りなのです。(マタイ6:9-13・ルカ11:2-4)
主の祈りは、私たちの祈りの模範であり、指針となるものです。
主の祈り・The Lord's Prayer
天にまします我らの父よ、ねがわくはみ名をあがめさせたまえ。
み国を来らせたまえ。
みこころの天になるごとく 地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を、今日も与えたまえ。
我らに罪をおかす者を 我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ。
我らをこころみにあわせず、悪より救い出したまえ。
国とちからと栄えとは 限りなくなんじのものなればなり。
アーメン。
十戒とは
十戒とは、イスラエルがエジプトから脱出したすぐあとに神からイスラエル民族に与えられた聖書の中にある10個の法律です。
十戒は基本的に、旧約聖書の律法に含まれている600以上の戒めの要約です。
最初の4つの戒めは、私たちの神さまとの関係を取り扱っています。あとの6つの戒めは、私たちお互いの関係です。十戒はイスラエル人の神との契約、トーラー(律法)の中心と言えるものです。(出エジプト記20:3-17、申命記5:7-21)
十戒・Ten Commandments
わたしは、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出したあなたの神、主である。
1あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない。
2あなたは自分のために偶像を造ってはならない。
上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、いかなる形をも造ってはならない。
それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたみの神。わたしを憎む者には父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
3あなたは、あなたの神、主の名をみだりに口にしてはならない。
主は、主の名をみだりに口にする者を罰せずにはおかない。
4安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。
六日間働いて、あなたのすべての仕事をせよ。
七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。
それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中のすべてのものを造り、七日目に休んだからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。
5あなたの父と母を敬え。
あなたの神、主が与えようとしているその土地で、あなたの日々が長く続くようにするためである。
6殺してはならない。
7姦淫してはならない。
8盗んではならない。
9あなたの隣人について、偽りの証言をしてはならない。
10あなたの隣人の家を欲してはならない。
あなたの隣人の妻、男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを欲してはならない。